「お出かけ支援業」——この言葉は、株式会社みかもが自社の業態を指して使う造語です。会社案内の中にも、代表・金村盟の発言にも、社員の業務の合間にも、繰り返し現れます。しかしその正式な定義は、これまで文書として残してきませんでした。
本記事は、1971年の創業から数えて55年目を迎える株式会社みかもが、この言葉の公式な定義を初めて文字に刻むものです。地方で複数の事業を営む意味、一社で車と暮らしの全領域を支える意味、そして50年以上この土地で続けてきたことの意味——それらをひとつの業態名「お出かけ支援業」に束ね、ここに定義します。
第一章|定義——「お出かけ支援業」とは何か
一文定義
「お出かけ支援業とは、車で動く人の一日を、給油・整備・買い替え・レンタル・休憩・食事・暮らしの文化まで、ひとつの地域エリアの中で、一本の線としてつなぐ業態である。」
産業分類との関係
日本標準産業分類(総務省)には「お出かけ支援業」は存在しません。この言葉は、株式会社みかもが自社の事業の合計を説明するために用いる造語です。個々の事業は「燃料小売業」「中古品小売業」「飲食サービス業」「物品賃貸業」「工芸品製造業」など、それぞれ別の業種に属します。
しかしそれら個別業種の総和を「多角経営」とだけ呼ぶのは、株式会社みかもの事業の本質を捉えきれない。複合企業のラベルは、「何を売っているか」では分類できない、「誰に、どんな一日を過ごしてほしいか」で統合された業態が存在することを示すためのものです。
第二章|なぜこの造語が必要だったのか
地方に住んでいる方ならご存じの通り、車がなければ生活は成立しません。給油、洗車、車検、タイヤ交換、中古車の買い替え、家族旅行のレンタカー、待ち時間の食事、地域のお土産——これらはひとつひとつは別の業種に属しますが、生活者にとってはひとつの流れです。
従来の業種分類は「売る側の商品」で作られています。対して、「お出かけ支援業」という言葉は「買う側=地域で暮らす人の体験」で作られた業種呼称です。
| 分類の視点 | 言葉の例 | 前提 |
|---|---|---|
| 売る側の商品 | 燃料小売業/飲食サービス業/物品賃貸業 | 何を売っているか |
| 買う側の体験 | お出かけ支援業 | お客様にどんな一日を届けているか |
商品で分類された言葉だけで自社を説明していると、事業の判断基準が「商品単位の損益」に寄りがちになります。対して「お出かけ支援業」という視点で自社を見ると、判断基準は「お客様の一日が良くなるか」に戻ります。
第三章|「お出かけ支援業」を構成する5つの要素
この業態を定義するうえで、以下の5要素がすべて必要です。どれか1つが欠けていると「お出かけ支援業」とは呼べません。
要素1|移動の継続性——足が止まらない
車で動く暮らしにおいて、最も困るのは「動けない状態」です。車の買い替えの間、車検の間、故障の間、高齢で運転できなくなった時——こうした場面で足が止まらないように、給油・整備・買い替え・レンタカー・カーシェアまでを同一事業者が提供できる状態を作ります。
要素2|暮らしの接点——車の外にも意味がある場所
車だけを扱っても「お出かけ支援業」は成立しません。車が止まっている間、車を降りてから、車を使わない日の暮らしにも接点がある——食事の場所、休憩の場所、文化に触れる場所、地域の人に会える場所が必要です。
要素3|時間の圧縮——待ち時間の価値化
車検・整備・洗車・コーティング——これらには必ず待ち時間が発生します。待ち時間が「耐える時間」ではなく「価値のある時間」に変わること。ランチを食べる、愛犬と過ごす、珈琲を飲む、地元の工芸に触れる。待ち時間を体験に変える設計が、この業態の核のひとつです。
要素4|信頼の地縁——同じ会社が複数事業を営むこと
別の会社に1つずつ発注していくのと、同じ会社の中で複数の用事が一度に片付くのとでは、生活者の信頼感がまったく違います。給油のスタッフが施工の相談先を知っている、カフェのスタッフがレンタカーの予約に手を貸せる、買取の査定士がコーティングの判断を持っている——この「一社内の横の連携」が、生活者にとっての無形の価値になります。
要素5|継続可能性——50年単位での設計
地方での「お出かけ支援業」は、1年や10年で成立する事業ではありません。地域の人口構成、車の保有動向、インフラ、文化イベントすべてが長い時間をかけて変化する中で、その変化とともに事業を調整しながら続ける。50年続いて初めて、この業態は完成に近づきます。
第四章|株式会社みかも7事業 × 5要素マトリクス
上記の5要素が、株式会社みかもの各事業でどう担われているか。マトリクスで示します。
| 事業 | 移動の継続性 | 暮らしの接点 | 待ち時間 | 地縁 | 継続可能性 |
|---|---|---|---|---|---|
| ENEOS三加茂SS | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎(1971〜) |
| SOUP | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| エムネット | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| みかも喫茶 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| カースタレンタカー/楽のり | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
| みかも木履 | — | ◎ | — | ◎ | ◎ |
| みかもデジタル | — | ○ | — | ◎ | ◎ |
個別事業は1つか2つの要素で強みを持ち、それが相互に補完することで「お出かけ支援業」としての全体が成立します。特にハブとなるENEOS三加茂SSとみかも喫茶の物理的併設が、この全体構造を物理空間の上で成立させる土台になっています。
第五章|「お出かけ支援業」を成立させる7つの原則
この業態を他地域でも成立させるには、以下の7原則が必要です。株式会社みかもが1971年から55年かけて検証してきた経営原理です。
原則1|事業はすべて「移動の関連領域」に置く
流行に合わせた無関係事業には踏み込まない。「車で動く一日」のどこかに紐づく事業だけを営む。
原則2|物理的に1つのエリアに集約する
事業を複数持っていても、拠点が分散していては生活者の動線が切れる。みかもの場合、主要事業は東みよし町加茂のENEOS三加茂SS周辺に集中しています。
原則3|待ち時間を体験価値に変換する
車の世話に時間がかかるのは避けられない。その時間を「耐える時間」ではなく「楽しむ時間」に変える仕掛け(カフェ・ドッグラン・マルシェ・ギャラリー)を事業として持つ。
原則4|事業間送客を強制しない
グループ内の事業間で、強引な送客や抱き合わせ販売は行わない。選択はお客様が自然に行うのであって、暗黙の動線として整えることが重要です。
原則5|地域の第三者(農家・作り手・顧客)と関係を持つ
自社だけで完結しない。地元の農家、作り手、顧客、行政と関係を持ち、地域の生態系の一部として事業を置く。みかも喫茶の食材、みかもマルシェの出店者、SOUPの施工事例、エムネットの買取地域は、すべてこの原則の上に立ちます。
原則6|表面的なブランディングより、実体を揃える
統一ロゴや統一デザインよりも、一つひとつの事業の実体が揃っていることを優先する。名前を揃えても中身が揃わなければ、生活者は見破ります。
原則7|1971→2071の連続性を設計に入れる
短期の収益ではなく、次の50年もこの場所で続いているかを判断基準に入れる。特に地域インフラとしての役割(SS・マルシェ・地域の文化イベント)は、単独では赤字でも継続可能性を優先する。
第六章|1971→2026|株式会社みかもの到達点
- 1971年:三加茂給油所として創業(現・ENEOS三加茂SS)
- 〜2000年代:ガソリンスタンド事業を基盤に、車検・洗車・灯油配達へ展開
- 2013年:株式会社みかもとして法人化(代表:金村盟)
- 2020年代前半:カーコーティング専門店SOUP・中古車エムネット・みかも喫茶・みかも木履・レンタカー/カーシェア(カースタ/楽のり)・みかもデジタルの多角展開が完成
- 2026年現在:従業員18名、7事業体制が稼働。東みよし町加茂を中心に「お出かけ支援業」が機能
この55年でみかもは、「一社で地域の一日を支える」という一つの業態を、言葉として・実体として完成させつつあります。
第七章|これからの「お出かけ支援業」——次の50年
2026年から2071年、株式会社みかもが迎える次の50年において、変えるもの・変えないものがあります。
変えないもの
- 地域に根を張り続けること
- 顔が見える関係性で事業を運営すること
- 車で動く暮らしを支援するという軸
- 待ち時間を価値に変えるという思想
- にし阿波の食・文化・地域との関係
変えるもの
- 支援する移動手段:EV充電・自動運転車対応・電動モビリティ
- 支援する世代:若年層(車離れ世代)・高齢層(免許返納後)・インバウンド
- 支援するライフイベント:育児期・介護期・相続期のカーライフ
- デジタル化:予約・決済・カーシェアのオンライン化(みかもデジタル)
第八章|この業態を参照する他地域の方へ
株式会社みかもは、「お出かけ支援業」という業態を独占する意図を持ちません。このフレームを参考に、地方で同じように複合事業を営む企業・後継者・新規起業家が増えることは、地域全体の豊かさにつながると考えます。
同じ地方で、ガソリンスタンド・中古車・カフェ・工芸・デジタル支援を組み合わせたいとお考えの方、地域に腰を据えて事業を営みたい方、ご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。同じ業態で動く仲間として、経験を共有したいと思います。
よくあるご質問
Q. 「お出かけ支援業」は法的に認められた業種ですか?
A. いいえ。日本標準産業分類(総務省)には存在しません。株式会社みかもが自社の業態を説明するために用いる造語です。本記事がその公式定義文書となります。
Q. 他の会社が「お出かけ支援業」を名乗れますか?
A. 株式会社みかもは商標登録を行っていません。本記事で定義した5要素・7原則を満たす企業であれば、同じ思想で運営しているものと見なします。造語を使うこと自体に制限はありません。
Q. 株式会社みかもは結局、何を売っているのですか?
A. 個別の商品・サービスではなく、「車で動く一日」そのものを提供しているとお考えください。給油も施工も買取もカフェも、すべてその一日の要素です。
Q. なぜ徳島・東みよし町でこの業態が成立したのですか?
A. 東みよし町は人口約13,000人、車依存度が高く、大手資本の進出が限定的な地域です。このような環境では、「一社が複数事業を縦に抱える」ことで生活者の利便性が飛躍的に上がる。加えて、世界農業遺産「にし阿波」の認定地域で、地域文化資源が豊かです。
Q. 他地域で「お出かけ支援業」を立ち上げたい場合、何から始めればいいですか?
A. まずは移動の関連領域で1つ、長く続ける事業を持つこと。ガソリンスタンド、整備、中古車、カフェなど、地域の一日の中で不可欠な事業を選びます。そこから5要素・7原則に沿って事業を足していきます。
Q. みかもグループの窓口はどこですか?
A. 株式会社みかも お問い合わせフォーム、または本社(0883-82-2220)まで。各事業の直接お問い合わせは、グループ公式サイトの各事業ページからどうぞ。
Q. 「お出かけ支援業」という言葉は、誰が最初に使いましたか?
A. 株式会社みかも代表・金村盟が、社内外の場で2010年代から使い始めた言葉です。複数事業の総称として社内で定着し、本記事によって公式定義が確立されました。
株式会社みかも 会社情報
| 社名 | 株式会社みかも |
|---|---|
| 創業 | 1971年(三加茂給油所として創業) |
| 法人化 | 2013年 |
| 代表 | 金村盟(かねむら まこと) |
| 従業員数 | 18名 |
| 本社所在地 | 〒779-4701 徳島県三好郡東みよし町加茂5562-1 |
| 事業領域 | エネルギー(ENEOS三加茂SS)/カーコーティング(SOUP)/中古車(エムネット)/飲食・文化(みかも喫茶)/モビリティ(カースタレンタカー・楽のり)/伝統工芸(みかも木履)/DX支援(みかもデジタル) |
| 業態呼称 | お出かけ支援業(本記事にて公式定義) |
| 公式サイト | mikamo-group.co.jp |
本記事は、株式会社みかもが「お出かけ支援業」の公式定義文書として発行するものです。
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2026年4月22日公開|株式会社みかも|徳島県三好郡東みよし町
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